食欲の秋
シャンデラ「ふいー……食った食ったあ」
ヒトモシ「……うーん、もし……」
シャンデラ「おや? ヒトモシ?」
ヒトモシ「! シャンデラもしかー」
シャンデラ「どうしたんだ、こんなところで」
ヒトモシ「もし……あれ、見てもし」
シャンデラ「うん? ……あれは」
ヒトモシ「あんなにたくさんの魂が、なんであんなところに溜まってるのか……」
シャンデラ「……なんか釣りくさいなー」
ヒトモシ「やっぱりそう思うもし?」
シャンデラ「でも……でも美味そうだな(じゅるり)」
ヒトモシ「うん……美味しそうもしよね(じゅるり)」
シャンデラ「狩るか」
ヒトモシ「もし」

読書の秋
レシラム「……」
ゼクロム「……なあ」
レシラム「……なに」
ゼクロム「なに読んでるんだよ」
レシラム「本」
ゼクロム「そうじゃなくってさあ」
レシラム「本」
ゼクロム「読書の邪魔して悪かった」
レシラム「本」
ゼクロム「お前眠いんじゃねえの?」
レシラム「ほ……うん……まあ……」
ゼクロム「寝ろよ」
レシラム「……だめ……続きが……気になって……」
ゼクロム「ンな分厚いの読んでたらいつまで経っても寝れねえぞ、寝ろったら寝ろ」
レシラム「……じゃあ一時間したら起こして……」
ゼクロム「はいはい、わかったよ」

運動の秋
デンチュラ「やー、アイス美味しいねえ」
ウルガモス「ようやく食べれました……ああ毎週火曜が待ち遠しくて」
デンチュラ「あはは。……ところでさ、少し言いづらいんだけど」
ウルガモス「はい?」

デンチュラ「ウルガモスちゃん、前に比べて太ったよね……?」

ウルガモス「……」
デンチュラ「……」

ウルガモス「……」ねっぷう!

デンチュラ「あちちちちっ!!」
ウルガモス「やっぱりそう見えますよねえ……そうなんですよ……最近トキワさんにも体重計に乗れと言われて乗ったんですけど……六十キロ越してました……」
デンチュラ「それはだいぶまずいね、それから火あぶりやめて、やめて」
ウルガモス「確かに最近バトルしてなくて……とても……とてもまずいのは知ってます、そうです最近はずっと孵化のお手伝い続きでしたし……ああ、運動しないと」
デンチュラ「フカガモスってやつ? アッ熱い熱い熱い」
ウルガモス「……そういえば、色がどうとかこうとか言ってました」
デンチュラ「なるほど……お疲れさまだねえ。じゃあ……そうだな……誰かとバトルでもしようか? って言っても、僕は遠慮するけど」
ウルガモス「ううん……バトルですか……そうですね、やってみましょう。でも、誰とやればいいでしょうか?」
デンチュラ「そうだなあ……ああ、ダゲキとかはどう? 戦ったことないでしょ?」
ウルガモス「そうですね。じゃあダゲキさんと戦ってみましょうか」
デンチュラ「オッケー、じゃあ頼んどくね」
ウルガモス「お願いします」

戦術の秋
フライゴン「ふりゃっりゃっりゃー♪」
ランクルス「ありゃ? 随分ご機嫌だね、フライゴンくん」
フライゴン「ふりゃ! こんにちは、ランクルスさん」
ランクルス「にゃは、こんにちわ! 何か良いことあったのかにゃ?」
フライゴン「いいことはあんまりないです、今日も皆にフライフライって言われたり、どう足掻いてもガブリアスは抜けないなんて言われたり」
ランクルス「そういうときのトリックルームじゃないの?」
フライゴン「!! なるほど!!」
ランクルス「やってみる?」
フライゴン「やってみる!」
ランクルス「うふふオッケー……って思ったけどそーいやボク、トリル覚えてなかった」
フライゴン「」
ランクルス「まあ、ガブが抜けなくても、大丈夫だと思うにゃは」
フライゴン「遠く見ながら言わないで下さいふりゃあああ」
ランクルス「がんばっ☆」
フライゴン「ちょま、逃げ……待ってええええええええええええええええ」

恋愛の秋
キリキザン「……」
ジャローダ「どうした? 悩みでもあるのか?」
キリキザン「……ああ……あいつのこと考えると胸が苦しくて苦しくて」
ジャローダ「恋わずらいか」
キリキザン「ってやつなんすかね」
ジャローダ「その症状は多分そうだろう」
キリキザン「……(ため息)」
ジャローダ「……」
ガマゲロゲ「おあー? どうしたよ、そんなシケたツラして!」
キリキザン「! 先輩がた」
ガマゲロゲ「なんだよなんだよ、腹でも減ったのかよ? バニラアイスでも食うか?」
バイバニラ「や、やめて」
ガマゲロゲ「はは、冗談冗談」
バイバニラ「……冗談に聞こえないんですけどぉ……」
ガマゲロゲ「冗談だよ……たぶんね」
バイバニラ「多分ねって付けるだけで一気に不安になる不思議!!」
ジャローダ「少しは空気を読め」
ガマゲロゲ「あい」
バイバニラ「あい」
キリキザン「……(この二人に相談しても参考にならないですよね)」
ジャローダ「(言ってやるな)」
ガマゲロゲ「んや、でもなんか悩みでもあるんなら、俺は聞かねえけど……飯食ったりすると案外どうでもよくなるもんだぜ」
キリキザン「……そういうもんですかね」
バイバニラ「そーだよー、ご飯は偉大だよー」
ガマゲロゲ「どうでもいいけどお前飯食えるのかよ」
バイバニラ「一応」
キリキザン「……よぉし、食べに行きましょう! 焼き肉だ!」
ガマゲロゲ「食い放題イエー!! イエー!!!」
ジャローダ「……(恋愛の秋が食欲の秋へ……なんだかなあ……)」

続・読書の秋
ゼクロム「……」
レシラム「(すやすや)」
ゼクロム「……こいつ、何読んでたんだ……?(ぱらり)」
レシラム「(すやすや)」
ゼクロム「……(読む)……なにこれ超面白いじゃねえか」

――数時間後
レシラム「……ふわああ……うん……って、今何時!?」
ゼクロム「……」
レシラム「うわあ、結構がっつり寝ちゃったよ……。ゼクロム、なんで起こしてくれないのさ! ……って、あ、あれ?」
ゼクロム「この展開は想像してなかったな……あ、おはよう」
レシラム「何勝手にわたしの本を読んでるんだ貴様ァァァァァ」あおいほのお!
ゼクロム「あちちち!! やめ、やめっ!!」
レシラム「その本を返せ……返せ、今すぐにだっ」
ゼクロム「わ、わかった、わかったから炙るの止めろ!! ……ったく、ほら(本を渡す)」
レシラム「(受け取って)……ああ、よかった」
ゼクロム「んあ?」
レシラム「……いや、なんでもないよ(男同士でいちゃついてるシーンはまだ読んでないか……よかった)」
ゼクロム「そうか(ああ、男同士のシーンのこと気にしてるんだ……可愛いやつだなー)」

続・食欲の秋
シャンデラ「魂うめええええええええ」
ヒトモシ「もっしいいいいいいいいい」
シャンデラ「魂ムッシャーナwwwwwwまじなにこれwwwwwwうめえwwwwww」
ヒトモシ「やばいもし、もうお腹いっぷあ……うおおおおみなぎるもしいいいいいい」
シャンデラ「ヒトモシの火力がMAXに!?」
ヒトモシ「ぐ……ぐああ……制御できないもしっ……うわああああああああ」
シャンデラ「うおわああああ!!?」どかーん!!

シャンデラ「あいたたた……だ、大丈夫か?」
ヒトモシ「大丈夫もし……ん? なんでボクは無傷もし?」
シャンデラ「言われてみれば……俺っちも無傷……」
ブースター「ハァイ!!」
シャンデラ「わっ!! ……なんだよ、お前か」
ブースター「ヒトモシの炎って美味しいんですねえ(ぺろり)」
ヒトモシ「!! もらい火もしか」
ブースター「うん。……二人がかりで食べても結構きつい量のエネルギーが出てたよ、気をつけなきゃ駄目でしょ」
ヒトモシ「もしい」
シャンデラ「……ん? 二人?」
ブースター「シャンデラさんももらい火でしょう」
シャンデラ「おお、そうだった、そういやそうだった」
ヒトモシ「もし……」
シャンデラ「言われてみれば、無意識に食ってたかも……おいしかった」
ヒトモシ「怖いもし」
ブースター「デリシャスですよねえ、また食べさせてね」
ヒトモシ「断るもし!! 嫌もし!!」シャドボ!
ブースター「ぐはっ」
シャンデラ「いてっ」



2012.9.2のあむこみっ!様にて頒布した無配の再録です。
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