「やめろ、と仰りたいんですか?」僕を、俺をここまで掻き立てたのはあなた。
「違う、違うんだ……お前は、ここで堕ちていいような奴じゃないから」
「僕は────元から、こんなことができる人間ですよ」
「嘘だろう」
「嘘じゃない」
 たとえ零れる涙があろうとも。

 俺は貴方にこの右手のものを、いつだって。
2011.07.24